こんにちは、星ヶ丘不動産です。
中古住宅の売却相談を受けていると、よく聞かれる質問があります。
「売る前にリフォームした方がいいですか?」
築年数が経っている。
クロスが汚れている。
キッチンが古い。
お風呂も古い。
床にも傷がある。
売主さんからすると、
「こんな状態で売りに出して大丈夫かな?」
と心配になると思います。
そこで、
「せめてクロスくらい張り替えようか」
「水回りも新しくした方が高く売れるのでは?」
「いっそのこと500万円くらいかけて全部きれいにしようか」
と考える方もいらっしゃいます。
でも私たちは、
売却前のリフォームは、やればやるほど良いとは考えていません。
むしろ物件によっては、
「何もしないで売る」
ことが一番良い選択になる場合もあります。
今回は、中古住宅を売る前にどこまで直すべきなのか、売却する側の視点から考えてみたいと思います。
300万円リフォームしたら300万円高く売れる?
まず最初に考えてほしいことがあります。
例えば、
現状なら3,000万円で売れそうな中古戸建があったとします。
そこで300万円をかけてリフォームしました。
では、
3,300万円で売れるでしょうか。
もちろん、売れる可能性はあります。
しかし、
3,100万円にしかならないかもしれません。
その場合、
300万円かけて、
100万円高く売れた。
つまり、
結果的には200万円マイナスです。
ここが、売却前リフォームの難しいところです。
自分で住むためのリフォームなら、
「300万円かかったけれど、きれいになって快適になった」
という価値があります。
しかし売却するためのリフォームは、
かけた費用以上に売却価格が上がるか
という視点が必要になります。
「きれいな家=高く売れる」とは限らない
もちろん、中古住宅はきれいな方が印象は良くなります。
クロスが新品。
床もきれい。
キッチンも新品。
お風呂も新品。
洗面台も新品。
内覧した瞬間、
「きれい!」
と思ってもらえるでしょう。
ただし、それと、
「高く買ってもらえる」
ことは別の話です。
なぜなら、中古住宅を探している方の中には、
自分でリフォームしたい人
もいるからです。
例えば売主さんが300万円かけて、
白いクロス。
明るいフローリング。
新品のシステムキッチン。
にしたとします。
ところが買主さんは、
無垢材の床にしたかった。
壁は塗装にしたかった。
キッチンは海外製を入れたかった。
ということもあります。
そうなると、
売主さんがせっかくお金をかけたリフォームを、
購入後にまた壊す
ことになるかもしれません。
それは少しもったいないですよね。
中古住宅には「自分で作りたい」という需要がある
以前に比べて、
中古住宅を買ってリノベーションすることは、かなり一般的になりました。
新築住宅を買うのではなく、
中古住宅を少し安く購入して、
その分を自分好みのリフォームに使う。
そんな家の買い方もあります。
特に、
立地が良い。
土地が広い。
建物に特徴がある。
庭がある。
ガレージがある。
無垢材など良い素材が使われている。
こうした住宅は、
築年数だけで判断できません。
多少古くても、
「この家を自分好みに直したい」
という方が現れる可能性があります。
だから、
古い=全面リフォームしてから売る
ではないのです。
では、何もしなくていいの?
ここまで読むと、
「じゃあ、そのまま売ればいいんですね」
と思うかもしれません。
これも少し違います。
私たちは中古住宅の売却前に、
「直す」と「整える」を分けて考える
ことをおすすめしています。
例えば、
キッチンを交換する。
お風呂を交換する。
フローリングを全部張り替える。
これは「直す」に近いです。
一方で、
室内を清掃する。
庭の草を刈る。
荷物を片付ける。
電球を交換する。
玄関をきれいにする。
これは「整える」です。
実は、
数百万円かけて直すより、数万円〜数十万円で整えた方が費用対効果が高い
ことがあります。
私たちなら、まず「片付け」を考えます
中古住宅を売る前に、
何か一つやるとしたら何ですか?
と聞かれたら、
物件にもよりますが、
「まず片付けましょう」
と答えることが多いと思います。
例えば同じリビングでも、
家具がたくさんある。
段ボールが積んである。
テーブルの上に物が置いてある。
という状態と、
必要最低限の家具だけが置いてある状態では、
広さの感じ方がかなり違います。
不動産を購入する方は、
今の所有者の生活を見るために内覧するわけではありません。
「自分がここに住んだらどうなるか」
を見に来ます。
だから、できるだけ買主さんが自分の生活をイメージしやすい状態にしておく。
これは非常に大切です。
庭は意外と重要です
戸建住宅の場合、室内だけではありません。
庭もかなり重要です。
例えば、
草が伸びている。
植木が道路にはみ出している。
落ち葉がたまっている。
使っていない植木鉢が大量にある。
これだけで、
建物まで古く見えてしまいます。
逆に、
草を刈る。
植木を少し整える。
不要な物を撤去する。
それだけで、
家全体の印象が変わります。
特に戸建住宅では、
最初に見るのは室内ではなく外観です。
玄関まで歩いている数十秒で、
買主さんの第一印象はすでに始まっています。
クロスは張り替えた方がいい?
これもケースバイケースです。
例えば、
築10年程度。
建物自体はきれい。
設備もまだ新しい。
でもクロスだけ少し汚れている。
こういう住宅なら、
クロスを張り替えることで、
かなり印象が良くなる可能性があります。
一方、
築30年。
キッチンも古い。
浴室も古い。
洗面台も古い。
床も古い。
という住宅で、
クロスだけ新品
にしても、あまり意味がないことがあります。
むしろ、
「ここだけ新しい」
という違和感が出る場合もあります。
だから、
部分的なリフォームをするなら、建物全体とのバランスを見る。
これが大切です。
キッチンやお風呂は交換するべき?
水回りは金額が大きくなります。
キッチン。
浴室。
洗面台。
トイレ。
全部交換すると、かなりの費用になります。
ここで考えたいのは、
誰がこの家を買うのか
です。
例えば、
築15年。
駅徒歩圏。
比較的新しい住宅を探しているファミリー層。
こういう物件なら、
水回りをきれいにすることで購入判断につながる可能性があります。
一方、
築40年。
土地が広い。
建物は古い。
購入後に大規模リノベーションする可能性が高い。
このような物件なら、
売主が中途半端に水回りを交換するより、
買主に自由に直してもらった方がいい
かもしれません。
「壊れているもの」は別に考える
古いものと、
壊れているものは、
少し分けて考えた方がいいと思います。
例えば、
給湯器が古い。
これはまだ使えるなら、そのまま売る選択もあります。
一方、
給湯器が完全に壊れていてお湯が出ない。
となると、
内覧時の印象はかなり変わります。
同じように、
キッチンが古い。
お風呂が古い。
トイレが古い。
これは中古住宅なので当然です。
でも、
水が出ない。
雨漏りしている。
ドアが閉まらない。
床が大きく抜けている。
こうした不具合は、
単なる「古さ」ではありません。
修理するのか。
現状のまま売るのか。
価格に反映させるのか。
きちんと整理して売却した方がいいでしょう。
500万円かけるなら「500万円安く売る」方法もある
少し極端な話ですが、
500万円のリフォームを考えているなら、
一度、
「何もしない代わりに500万円安く売ったらどうなる?」
と考えてみるのも一つです。
例えば、
リフォーム後4,000万円で売却を目指す。
リフォーム費用500万円。
だとすると、
手元に残るのは単純計算で3,500万円です。
それなら、
現況のまま3,600万円で売却できれば、
売主さんとしてはそちらの方が良い可能性があります。
さらに、
工事期間もありません。
工事業者との打ち合わせもありません。
リフォーム費用を先に用意する必要もありません。
そして買主さんは、
500万円を使って自分の好きなリフォームができます。
売主と買主、双方にメリットが出ることもあるのです。
リフォームより「価格設定」の方が重要なこともある
中古住宅を売却するとき、
私たちはリフォーム以上に重要なのが、
最初の販売価格
だと思っています。
例えば相場3,500万円前後の住宅を、
「リフォームしたから4,200万円」
で売り出したとします。
いくら室内がきれいでも、
そもそも検索条件から外れてしまえば見てもらえません。
3,500万円までで探している方の画面には、
4,200万円の物件は出てこないからです。
不動産売却では、
きれいにすること以上に、誰に・いくらで見てもらうか
が重要です。
売却前に「写真」を意識する
今の中古住宅売却で、非常に重要なのが写真です。
多くの方は、
最初に現地を見るわけではありません。
まずスマートフォンで物件を見ます。
そこで、
「ちょっと見てみたい」
と思って初めて問い合わせをします。
つまり、
最初の内覧はスマートフォンの画面の中
とも言えます。
だから、
部屋を片付ける。
カーテンを開ける。
照明をつける。
庭を整える。
不要な物を映さない。
こうしたことは、
数百万円のリフォーム以上に効果がある場合があります。
「現況渡し」という売り方もある
中古住宅では、
現在の状態のまま売却する方法もあります。
いわゆる「現況渡し」です。
ただし、
現況渡し=何も説明しなくていい
という意味ではありません。
売主が把握している不具合などについては、きちんと整理し、買主に説明したうえで契約することが大切です。
雨漏り。
シロアリ。
設備の故障。
給排水の不具合。
過去の修繕。
こうした情報を整理しておくことで、
買主さんも、
「ここは購入後に直そう」
と判断できます。
古い住宅だからこそ、
きれいに見せること以上に、正直に状態を伝えること
が重要だと思います。
「古い家」そのものが魅力になることもある
最近は、
何でも新品であることだけが住宅の価値ではなくなってきたように感じます。
無垢材。
昔ながらの建具。
大きな庭。
縁側。
タイル。
木製サッシ。
ガレージ。
今、新築で同じものを作ろうとすると、かなり費用がかかるものもあります。
だから古い家を見たとき、
「全部新しくしよう」
ではなく、
「この家のどこを残したら魅力になるだろう?」
という見方も面白いと思います。
これは中古住宅ならではの価値です。
名古屋市・千種区・名東区では土地の価値も忘れない
星ヶ丘周辺、千種区、名東区などの中古戸建を売却するときは、
建物だけではなく、
土地としての価値
も考える必要があります。
例えば、
建物に500万円かけてリフォームしても、
買主が土地として購入して解体するのであれば、
その500万円はほとんど意味がありません。
逆に、
建物に魅力があり、
中古戸建として十分使えるなら、
壊してしまうのはもったいない。
だから私たちは、
中古戸建として売るのか。
土地として売るのか。
両方の可能性を残して売るのか。
ここから考えます。
私たちなら売却前に「5段階」で考えます
中古住宅を売る前にリフォームするか迷ったら、次の順番で考えると分かりやすいと思います。
① そのまま売ったらいくら?
まず現況の市場価格を確認します。
② 誰が買いそう?
そのまま住む人なのか。
リフォームする人なのか。
土地として買う人なのか。
③ いくらかける?
100万円なのか。
300万円なのか。
500万円なのか。
④ いくら高く売れそう?
300万円かけて500万円上がるのか。
300万円かけても100万円しか上がらないのか。
⑤ 本当に工事する必要がある?
ここまで考えてから決めます。
最初から「リフォームありき」で考えない。
これがポイントです。
売却前にやるなら「小さな改善」から
私たちなら、まず大規模リフォームではなく、
比較的費用の少ないところから考えます。
例えば、
不用品を処分する。
室内を清掃する。
庭の草を刈る。
植木を整える。
玄関をきれいにする。
切れた電球を交換する。
臭いの原因を取り除く。
窓を掃除する。
こうした、
「物件本来の良さを見えるようにする作業」
から始めます。
それでも必要なら、
クロス。
床。
設備。
と考えていけばいい。
最初から数百万円を使う必要はありません。
「高く売る」より「手元に多く残す」
中古住宅を売却するとき、
「いくらで売れたか」
はもちろん大切です。
でも、本当に重要なのは、
最終的にいくら手元に残ったか
ではないでしょうか。
4,000万円で売れた。
でも500万円リフォームした。
それなら、
3,700万円でそのまま売った方が良かったかもしれません。
売却価格だけを見るのではなく、
リフォーム。
解体。
残置物撤去。
測量。
仲介手数料。
税金。
その他の費用。
すべてを含めて考える。
「最高値で売る」ではなく、「最終的な手残りを最大化する」。
私たちは、この考え方が大切だと思っています。
星ヶ丘不動産では「何もしない方がいい」とお伝えすることもあります
中古住宅の売却相談をいただいたとき、
私たちが必ずリフォームをおすすめするわけではありません。
むしろ、
「この物件なら、そのまま売ってみましょう」
「まず片付けだけで十分だと思います」
「ここに300万円かけるなら、その分価格を調整した方がいいかもしれません」
とお伝えすることもあります。
売却するために必要なのは、
家を新品にすることではありません。
その家を、
誰が買うのか。
何に魅力を感じるのか。
いくらなら買いたいと思うのか。
そこを考えることです。
中古住宅には、
新築にはない良さがあります。
古さも含めて、その物件の個性になることがあります。
だから売却する前に、
「とりあえずリフォームしよう」
ではなく、
「この家は、今のままだと誰が欲しいだろう?」
から考えてみてはいかがでしょうか。
名古屋市、千種区、名東区、星ヶ丘周辺で中古住宅の売却を検討されている方も、
リフォームする前に一度、
「このまま売ったらどうなる?」
を確認してみる。
それからでも、リフォームは遅くありません。