こんにちは、星ヶ丘不動産です。
最近、新築住宅やマンションの広告を見ていると、
「ZEH水準」
「省エネ性能」
「断熱性能」
「GX志向型住宅」
といった言葉を目にすることが増えました。
少し前まで、住宅選びというと、
駅から何分。
土地の広さ。
間取り。
日当たり。
価格。
こうした条件が中心だったと思います。
もちろん、これらは今でも非常に大切です。
しかし2026年現在、住宅を購入するなら、もう一つ見ておきたいものがあります。
それが、
「その家の省エネ性能」です。
省エネと聞くと、
「電気代が少し安くなるくらいでしょ?」
と思う方もいるかもしれません。
でも私たちは、これからの住宅市場では、
省エネ性能が「住んでいる間の快適性」だけでなく、「将来その家を売るとき」にも関係してくる可能性がある
と考えています。
今回は、2026年に家を買うなら省エネ性能をどこまで気にするべきなのか、不動産会社の立場から考えてみたいと思います。
そもそも、なぜ急に「省エネ住宅」が増えたの?
これは単なる流行ではありません。
住宅を取り巻く制度そのものが変わってきています。
2025年4月からは、原則としてすべての新築住宅・非住宅について、省エネ基準への適合が義務化されました。
つまり、
「新築なら何でも省エネ住宅ですよ」という時代ではなく、一定の省エネ性能を満たすこと自体が新築住宅の基本になった
ということです。
ただし、ここで注意したいのは、
「省エネ基準を満たしている=ものすごく性能が高い」ではない
ということです。
省エネ基準は、あくまで一定の基準です。
その上には、
ZEH水準。
さらに高い性能の住宅。
といった違いがあります。
だから新築住宅を見るときも、
「省エネ基準適合」
という言葉だけを見るのではなく、
どのくらいの性能なのか
まで見る必要があります。
省エネ性能は「見える化」され始めています
2024年4月から、建物の省エネ性能を広告などで分かりやすく表示する制度が始まりました。
住宅の広告を見ると、
星の数。
断熱性能。
エネルギー消費性能。
などが表示されていることがあります。
これは、住宅を購入する人が、
「この家はどのくらい省エネなのか」
を比較しやすくするためのものです。
少し前までは、
Aという家。
Bという家。
どちらが断熱性能に優れているのか。
一般の方にはなかなか分かりませんでした。
これからは、
価格。
駅距離。
築年数。
間取り。
に加えて、
省エネ性能も比較できる時代
になっていきます。
住宅の省エネ性能で見るべきものは何?
難しい専門用語を全部覚える必要はないと思います。
家を購入する立場なら、まずは大きく3つくらいを見ればいいと思います。
① 断熱性能
外の暑さや寒さが室内に伝わりにくいか。
② エネルギー消費性能
冷暖房や給湯、照明などを含め、どのくらいエネルギーを使う住宅なのか。
③ 設備
高効率給湯器。
太陽光発電。
高性能エアコン。
高断熱窓。
などです。
難しい計算式まで理解する必要はありません。
まずは、
「夏涼しく、冬暖かく、それを少ないエネルギーで実現できる住宅なのか」
くらいの理解でも十分だと思います。
省エネ住宅のメリットは「電気代」だけではない
省エネ住宅について、
一番分かりやすいメリットは光熱費です。
断熱性能が高ければ、
夏は外の熱が入りにくい。
冬は室内の熱が逃げにくい。
そのため冷暖房の効率が良くなります。
でも、個人的には、
省エネ住宅の価値は電気代だけではない
と思っています。
例えば冬。
リビングは暖かい。
でも廊下に出ると寒い。
洗面所も寒い。
寝室も寒い。
昔の住宅ではよくあります。
一方、断熱性能の高い住宅なら、部屋ごとの温度差を小さくしやすくなります。
つまり、
「毎月いくら安くなるか」だけでなく、「毎日どれくらい快適か」
という違いがあります。
家は10年、20年、30年と住む場所です。
そう考えると、この差は意外と大きいと思います。
では、省エネ性能が高ければ高いほどいい?
ここは少し冷静に考えたいところです。
高性能な住宅を建てれば、その分建築費が上がることがあります。
例えば、
通常仕様なら4,000万円。
省エネ性能をさらに高めると4,300万円。
ということもあるでしょう。
では、その300万円を払う価値があるのでしょうか。
これは、
「光熱費だけで元を取れるか」
という考え方だけでは判断しにくいと思います。
光熱費。
快適性。
補助制度。
住宅ローン。
将来的な売却。
こうしたものを総合して考えます。
つまり、
省エネ性能も、コストとのバランスが大切
ということです。
2026年は「GX志向型住宅」も注目されています
2026年の住宅政策では、GX志向型住宅への支援も行われています。
国の「住宅省エネ2026キャンペーン」では、一定の要件を満たすGX志向型住宅について、地域区分に応じて基本額110万円または125万円/戸の補助が設定されています。
また、長期優良住宅やZEH水準住宅、高効率給湯器などにも一定の補助制度があります。
もちろん、
補助金があるから高い家を買う
という考え方はおすすめしません。
ただ、
同じような価格。
同じような立地。
同じような間取り。
で比較するなら、
省エネ性能や補助制度まで含めて比較する価値はあります。
「補助金100万円」に惑わされない
例えば、
A住宅 4,000万円
補助金なし
B住宅 4,300万円
補助金100万円
だったとします。
B住宅は、
「100万円も補助金が出る!」
と魅力的に見えるかもしれません。
でも実際には、
300万円高く、
100万円補助される。
差額は200万円です。
その200万円によって、
どれくらい省エネになるのか。
どれくらい快適になるのか。
将来の価値にどのくらい影響するのか。
そこまで考える必要があります。
補助金は住宅選びの目的ではなく、結果として利用するもの。
くらいで考えた方がいいと思います。
中古住宅では省エネ性能をどう見る?
新築は比較的分かりやすいです。
では、中古住宅はどうでしょう。
築20年。
築30年。
築40年。
こうした住宅では、建築当時に現在のような省エネ性能表示がなかったものもたくさんあります。
だから、
「この中古住宅の断熱性能は?」
と聞いても、明確に分からないことがあります。
そんなときは、
窓。
サッシ。
断熱材。
給湯器。
リフォーム履歴。
などを確認します。
2024年11月からは、省エネ性能全体を評価することが難しい既存住宅について、窓や給湯器など一定の改修部位を表示する「省エネ部位ラベル」も始まっています。
つまり今後は、
中古住宅でも、
「築何年?」だけでなく、「どんな省エネ改修をしている?」
を見る時代になっていく可能性があります。
築30年でも「良い中古住宅」はある
ここは非常に大切です。
省エネ性能を気にしすぎて、
「古い家は全部ダメ」
と思う必要はありません。
例えば築30年でも、
立地が良い。
土地が良い。
建物の状態が良い。
そのうえで、
窓を交換する。
内窓を入れる。
給湯器を交換する。
断熱改修する。
こうした方法があります。
逆に、
新築だから何も考えなくていい。
とも限りません。
家を買うときは、
建物性能と不動産としての価値を分けて考える。
これが大切です。
500万円高い省エネ住宅と、500万円安い中古住宅
例えば、
新築省エネ住宅 5,500万円。
中古住宅 5,000万円。
だったとします。
500万円違います。
では新築の方がいいのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
中古住宅を5,000万円で購入して、
100万円で窓を改修。
100万円で給湯器などを交換。
残り300万円を手元に残す。
という考え方もあります。
一方、
新築住宅なら、
最新の断熱性能。
最新設備。
保証。
メンテナンス期間。
などのメリットがあります。
だから、
新築か中古かではなく「総額で何が手に入るのか」
を比べるのがおすすめです。
10年後、「省エネ性能」が中古住宅価格に影響する?
ここから少し未来の話です。
私たちは、今後の中古住宅市場では、
省エネ性能が住宅を比較する一つの材料になっていく可能性が高い
と思っています。
例えば2036年。
同じ場所に、
築10年。
同じ面積。
同じような間取り。
4,000万円。
という住宅が2つ売りに出たとします。
A住宅は省エネ性能が高い。
B住宅は最低限。
もし価格がほぼ同じなら、
どちらを買いたいでしょうか。
多くの方が、
A住宅を検討するのではないでしょうか。
つまりこれからは、
省エネ性能が高いから必ず高く売れる
とまでは言えなくても、
省エネ性能が低い住宅が比較されたときに不利になる
可能性はあると思います。
車の燃費と少し似ているかもしれません
例えば中古車を選ぶとき、
価格。
走行距離。
年式。
装備。
だけでなく、
燃費も見ると思います。
燃費が悪いから絶対買わないわけではありません。
好きな車なら買います。
でも、
ほぼ同じ条件なら、
燃費の良い方を選ぶ人もいます。
住宅もこれから少し似てくるのかもしれません。
立地。
価格。
間取り。
築年数。
そして、
省エネ性能。
比較項目が一つ増える。
そんなイメージです。
ただし「省エネ性能より立地」が基本だと思います
ここは不動産会社として、かなり重要だと思っています。
例えば、
A物件。
星ヶ丘駅徒歩10分。
土地の形も良い。
道路付けも良い。
ただし省エネ性能は普通。
B物件。
駅徒歩30分。
土地の形は悪い。
でも最新の高性能住宅。
どちらが将来売りやすいでしょうか。
私たちなら、
省エネ性能だけを理由にBを選ぶことはおすすめしません。
建物性能は、
将来ある程度改善できます。
窓も交換できます。
給湯器も交換できます。
断熱改修もできます。
しかし、
駅までの距離は変えられません。
土地の形も変えにくい。
道路も簡単には変わりません。
だから、
不動産として変えられないものを先に見る。
これは今後も変わらないと思います。
住宅選びは「変えられるもの」と「変えられないもの」
私たちは家を選ぶとき、
この考え方がかなり重要だと思っています。
変えられないもの
・立地
・駅距離
・土地の形
・道路
・周辺環境
・日当たり
・土地の広さ
後から変えられるもの
・キッチン
・お風呂
・クロス
・床
・給湯器
・窓
・一部の断熱性能
・住宅設備
もちろん、すべて簡単に変更できるわけではありません。
でも、
買った後に変えられるものの優先順位を上げすぎない
ということです。
私たちなら「5つ」を見ます
2026年に住宅を購入するなら、私たちは次の5つを見ます。
① 立地
まず不動産としての基本。
② 価格
周辺相場と比較して妥当か。
③ 建物
構造、築年数、状態など。
④ 省エネ性能
断熱、窓、給湯器、エネルギー消費性能など。
⑤ 10年後の売りやすさ
同じ価格なら、将来どちらが選ばれるか。
この順番で考えると、
「補助金があるから」
「ZEHだから」
「最新設備だから」
だけで住宅を選ぶことが少なくなります。
新築住宅ほど「10年後」を考えて買ってほしい
新築を購入するときは、
どうしても、
新品のキッチン。
きれいな浴室。
新しい床。
最新設備。
に目が行きます。
でも10年後。
どの家も中古住宅になります。
そのとき、
キッチンは10年物。
給湯器も10年物。
クロスも10年物。
になります。
だから新築を購入するときこそ、
「新品だから良い」ではなく「10年後に何が残るか」
を考えてほしいと思います。
立地。
土地。
建物の基本性能。
そして省エネ性能。
こうしたものは、10年後にも残ります。
省エネ性能は「資産価値」より「選ばれる理由」と考える
「省エネ性能が高ければ資産価値が上がりますか?」
と聞かれたら、
現時点では、
それだけで価格が大きく上がるとは言い切れません。
やはり不動産価格への影響が大きいのは、
立地。
土地。
需給。
築年数。
建物状態。
などです。
ただし、
同じような住宅が並んだとき、
「こちらの方が性能が良いから選ぶ」
という理由にはなっていくと思います。
だから、
省エネ性能=高く売れる
ではなく、
省エネ性能=将来、選ばれる理由の一つになる
くらいで考えるのが現実的ではないでしょうか。
星ヶ丘不動産が考える2026年の住宅選び
住宅は、
性能だけで買うものではありません。
立地だけでもありません。
価格だけでもありません。
全部のバランスです。
これからは住宅選びの中に、
「省エネ性能」
という新しい比較項目が加わっていく。
私たちはそう考えています。
ただし、
省エネ性能が高いから買う。
補助金が出るから買う。
ZEHだから買う。
ではなく、
まず、
この場所に住みたいか。
次に、
この価格で買っていいか。
そして、
この建物は10年後、20年後にも価値が残りそうか。
そのうえで省エネ性能を見る。
この順番が大切だと思います。
2026年に住宅を購入するなら、
物件資料の価格や間取りだけではなく、
一度、
「この家の省エネ性能ってどのくらいですか?」
と聞いてみてください。
これから10年、20年住む家だからこそ、
今の価格だけではなく、
住んでいる間の快適性と、将来売るときのことまで考えて選ぶ。
そんな住宅選びが、これからますます大切になっていくのではないでしょうか。